【ねんどろ刀剣男士】仲間が為に、主が為に

ねんどろ刀剣男士劇場
04 /18 2016
~某日、本丸にて~

光忠率いる第二部隊が出陣する一方、
本丸で待機中だった加州は、定期手入の為に手入部屋へと向かおうとしていた。


加州『そろそろ主との約束の時間だ。今日はどんな風にデコってくれるんのかなー。へへ////楽しみ楽しみ♪』
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加州『…あ。でも光忠たちそろそろ帰ってくるかな?まあ、あいつなら大丈夫か。きっと無傷で帰ってくるから手入の必要はないだろうしね』


・・・と、その時だった。


\ガヤガヤ/

何やら中庭の方が騒がしい。
審神者の悲鳴らしきものまで聞こえてくる。


加州『主…?』
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加州『何かあったのかな?行ってみよ…!!』


そうして加州は急いで中庭の方へと向かったのであった――。



*****



~本丸・中庭~

そこには出陣先から帰ってきた光忠と小狐丸の姿があった。

普段なら表門から帰るところが、近道でもある中庭の方から二人は本丸へと戻ってきたのだ。


光忠『く…っ』
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小狐丸『しっかりするのじゃ光忠。そら、本丸に着いたぞ』
光忠『ああ、ありがとう…、っ』


光忠は傷だらけだった。
彼は小狐丸の腕に掴まりながら、体のあちこちに走る痛みに歯を食いしばる。


――そこへ騒ぎを聞きつけた加州がやってきた。


加州『ねえ今主が泣きながら手入部屋に走っていったけど何があったの…て、え…!?』
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加州『ちょ…、ふたりとも大丈夫!?傷だらけじゃん…!一体何があったんだよ!?』
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小狐丸『高速槍の急襲にあってな。光忠が集中攻撃を受けたのじゃ。私は幸い軽傷ですんだのじゃが…』
光忠『僕としたことがなんたる無様な…っ!!相手の油断を突くどころかこちらの不意を突かれるなんて本当に格好がつかな…、痛っ』


悔しさからか痛みからか光忠の表情はさらに険しくなる。


加州『もうしゃべんなくていいから!ほら早く!手入部屋へ…!』
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小狐丸『行くぞ、光忠。ぬしさまが手入部屋でお待ちじゃ』
光忠『参ったな…これじゃ主の前で格好つかないね…』
小狐丸『格好よりも今は傷を治すことが優先じゃ。時間をかけてしっかりとぬしさまに手入をして頂け。…此度は私の手入は後で良い故』
光忠『ああ…お言葉に甘えてそうさせてもらうよ、…ありがとう、小狐丸サン…』


そうして手入部屋へと向かう二振り。


加州『・・・・・』
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加州『光忠…』

二振りを見送る加州の心に何かが熱くこみ上げてくる。

加州『・・・・・』
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加州『・・・・・っ!!』


加州はぎゅっと拳を握りしめると、決意を秘めたように己の刀を手に取った。
今自分がやるべきは…。


加州は黙って一振り本丸を出ようとした。
しかしそこへ、三日月がやってきたのだ。


三日月『加州、此処におったのか。主から伝言だ、定期手入はまた今度にしてほしい、とな』
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加州『うん。わかってる。今はそれどころじゃないしね。…っていうか俺、ちょっと出陣してくるから。じーさん留守番よろしくな』
三日月『出陣…?何処へ行くつもりだ?』
加州『・・・・・』


沈黙する加州。
しかし三日月は全てを悟った様子で問いかける。


三日月『…ひとりで行く気か?』
加州『ひとりでもなんでも…っ、じっとしてらんなくて俺…っ』


言葉に詰まりつつ、加州は再び硬く拳を握りしめた。


加州『光忠は…』
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加州『あいつは同じ主を慕う俺にとって好敵手で、…とはいっても"可愛い"俺の方が主に愛されてる自信はあるけど、…でも光忠が言う「カッコよさ」って言うのもわからないでもないっていうか…、理由はどうあれ、常に"格好つけたい"気持ちもわかるし、…まあ俺の場合は"可愛くいたい"、だけど。…とにかく、あいつが…光忠が大事にしてる"カッコよさ"を傷つけた奴が許せないっていうかっ、だから俺…っ』


こみ上げる思いをひたすらに吐露する加州。
三日月はその思いを最後まで聞き、そして静かに頷いた。


三日月『ふむふむ。そうであったか』
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三日月『加州、おぬしの気持ちは良く分かった。…だが一振りでは行かせんぞ』


そう言うと三日月は己の刀を腰に差し、自らも出陣の準備を整えた。


加州『じーさん…?』
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三日月『加州、俺も行こう』
加州『え?でも…』
三日月『実はな、俺も出陣しようと思っていたところなのだ。…主が大事にする光忠たちを傷つけそして主を悲しませる輩が俺も許せん』
加州『じーさん…』
三日月『さあ加州、共に光忠の仇を討つぞ』
加州『…うん、ありがと。んじゃ、一緒に行こうぜ!』


――するとそこへ、手入部屋から小狐丸が戻ってきた。


加州『小狐丸、光忠の様子は?』
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小狐丸『心配はいらぬ。今、ぬしさまが懸命に手入をしてくださっているからな。時間はかかるようじゃが、明日には元の"格好良さ"とやらを取り戻せるじゃろう』
加州『そっか…よかった…』
小狐丸『じゃが…』
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小狐丸『光忠のことも気になるが、ぬしさまのあの落ち込みようも見ていられぬ…。あのように取り乱したぬしさまを見るのは初めてじゃ』
加州『うん…主も大丈夫かな…?』
小狐丸『そうじゃな…光忠が元に戻ればぬしさまも元気を取り戻されるじゃろう』
三日月『主…』
小狐丸『ところでおぬしたち…、何やら出陣の出で立ちをしておるようじゃが…?』
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加州『うん、俺たちこれから出陣するんだ。やられっぱなしじゃ、ほら…"カッコつかない"しね!』
三日月『俺も行くが、主には心配せぬよう伝えておいてくれ』
小狐丸『なるほどな…仇討ちか。…そういうことならば私も行こう』
加州『いや、小狐丸は本丸に残って主をお願い。…俺も主の傍にいたいけど、今回は小狐丸に譲るからさ』
小狐丸『そうか…わかった。ではぬしさまのことは私に任せて、おぬしたちは彼奴等を頼んだぞ。思う存分、噛みついてやれ。いやむしろ噛みちぎり、噛み砕いt』
加州『わかってるって!俺たちに任せといてよ!…んじゃ、行くぜー、じーさん!』
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三日月『うむ。背中は俺に任せろ』
小狐丸『二振りともくれぐれも気をつけてな』


こうして加州と三日月は連れ立って本丸を後にする。
それぞれの思いを胸に。


加州『・・・・・(光忠、待ってろよ。俺が代わりに格好良く決めてくるからな!…主、ちょっと傍を離れるけど、光忠の仇討ったらすぐに戻るから。…今日の俺は本気出しちゃうぜ!!)』
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三日月『・・・・・(光忠も不憫だが、何より主を泣かせた者が許せぬ。今日ばかりは俺も本気にならねばな)』



――その後、二振りは敵陣を滅多打ちにし、見事、仲間の仇討ちを果たしたという――




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りく

フィギュア/ドール/ガンプラをウェットに愛でる審神者。
推しねんはねんみか・ねんかしゅ・ねんほた…、みんな可愛いんだ!!
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